帯域?SLA付きってナニ?
あまり聞き慣れない言葉でもある「帯域保証」。
「SLA付き」と言われても、そもそもの概要を知らなければなりません。
まずは「帯域保証」について基本的な知識を理解していきましょう。
帯域保証
「帯域保証」とは、インターネット回線の通信速度の最低値が保証されているサービスです。一般的にインターネットの通信速度は利用時間や混雑度などに影響を受け、状況によって通信速度が上下します。
この帯域保証サービスでは、どのような状況でも通信速度を一定以上に確保でき、通信速度の著しい低下を防ぐことができます。
また、決められた通信速度を保証するサービスを「帯域保証」。「可能な限り」提供するサービスを「帯域確保」と呼びます。
一般的なインターネットサービスは通信速度を約束しない「ベストエフォート型」と呼ばれます。

それなりの規模の事業を行っている場合に必要なもので、個人レベルではコスト的にも不必要なものです。
SLA
そして「SLA」についてですが、これは「Service Level Agreement」の略で、サービス提供者と利用者の間で結ばれる品質保証などを表す言葉です。帯域保証においては、定められた通信速度を下回った場合の減額保証などを決める両者の合意を指します。
つまり「帯域保証」「SLA付き」のサービスでれば、一定以上の通信速度の保証に加えて、その速度を下回った場合の措置が得られるという内容になります。
メリット
「帯域保証」のメリットとして挙げられるのが「通信速度を一定以上に保つことができる」という点に集約されます。
例えば、ビジネス現場でインターネット回線を利用する場合、通信速度の上下によって業務に支障が出てしまうと損害が発生してしまいます。
そこで帯域保証によって通信速度の下限を保証してもらうことによって、通信の切断や遅延などを防ぎ、業務の停滞を防ぐことができます。
月額はどのくらい?
帯域保証の料金は設定する通信速度の下限に応じて異なります。また、「帯域保証」なのか「帯域確保」なのかによっても料金に差が出ます。一般的に通信速度の下限を保証する帯域保証の方が料金が高いです。
料金の一例として帯域保証サービスを提供している「USEN GATE 02」社の月額料金を見てみましょう。
こちらの会社では提供する帯域と保証される通信速度に応じて月額料金が定められています。
USEN GATE 02 プレミアムインターネット ギャランティ型より
品目 提供帯域 確保帯域 固定IP数:月額基本料金 10Mbps 上下1Gbps 10Mbps IP1:¥56,000
IP8:¥65,000
IP16:¥84,000
IP32:¥100,00030Mbps 上下1Gbps 30Mbps IP1:¥109,000
IP8:¥118,000
IP16:¥137,000
IP32:¥153,00050Mbps 上下1Gbps 50Mbps IP1:¥163,000
IP8:¥172,000
IP16:¥191,000
IP32:¥208,000100Mbps 上下1Gbps 100Mbps IP1:¥299,000
IP8:¥308,000
IP16:¥327,000
IP32:¥343,000200Mbps 上下1Gbps 200Mbps IP1:¥583,000
IP8:¥621,000
IP16:¥663,000
IP32:¥710,000500Mbps 上下1Gbps 500Mbps IP1:¥1,257,000
IP8:¥1,338,000
IP16:¥1,427,000
IP32:¥1,526,000
これだけ見ても「帯域保証」というサービスがそれなりに高額な料金によって提供されているサービスであることが伺えます。ただ、料金は確かに高いように見えますが、通信速度を保証してくれることにそれだけの価値があると判断できます。
事業によってはインターネット回線の遅延や通信速度の低下によって大規模な損害が発生してしまうことも考えられます。
そういったリスクを回避するためにも有効なサービスであることがわかります。
どんな人に必要なサービスなのか?
「帯域保証」というサービスは必要となる料金から見ても明らかに個人向けのサービスではありません。個人で利用したところでそれに見合ったメリットもないでしょう。
基本的に帯域保証はインターネット回線の通信速度が安定することに価値がある事業者向けのサービスと言えます。特に、インターネット回線の不具合によって損害が発生するリスクを抱えている企業ほど帯域保証の重要性が高まります。
例えば、オンラインでマンツーマンレッスンなどを行うサービスを考えてみましょう。利用者との通信が安定しなければサービスの質に影響を及ぼします。そのような際に帯域保証サービスを利用して、安定したサービス供給が可能になります。
また、業務や事業にクラウド系のサービスを利用している場合やWi-Fiサービスを提供している施設など、業務の非効率化の防止、サービスの質向上などに役立ちます。
最も重要なのは、通信が途切れてしまうと大変な基幹システムを運営している事業者などは安定した帯域が必要となります。
このように帯域保証はインターネット回線の安定化を必要とする企業に求められているサービスです。